困った質問や相談-08-

証券会社.上場審査

証券会社・監査法人担当者の本音

【困った質問や相談】

- Navi - 準備会社から受けた困った質問や相談ってありますか?

- A氏 - 審査基準は、会計基準の様に明確な数値が決まっていませんので「どこまで認められるのでしょうか?」「これは審査に通りますでしょうか?」と問われても明確な答えがないのです。
 審査では通りそうも無い案件があった場合、「このままでは上場できませんね」と言うのは簡単なのですが、じゃ「いつまでに止めればいいの?直せばいいの?」って言われると困るんですよ。

- Navi - 具体的言いますと?

- A氏 - 例えば、オーナー企業にありがちなのですけど、私物化してる高級車や別荘などを会社の資産として計上している(会社の持ち物としている)場合、それは問題になりますから、社長個人に買い取ってもらうことになりますが、じゃ「いつまでにやればいいの?」って話になりますから、これって明確な回答がないので悩みます。

- Navi - 確かにありますね。社長貸付なんてのも同じ類ですね。

- A氏 - で、期間を大きく分けると直前決算ですと1年間、監査証明が出るというと2年間、更に特別情報(Ⅰの部に記載される情報)として財務情報が出るプラス3年の5年間になります。なので、5年以前に問題や課題をクリアしていれば一番良いのですが、なかなかそうもいかないこともあります。そこで、以前は2期前までにクリアしているなら大丈夫という感覚だったのですが、最近は厳しくなって「特別情報といえども情報として出るのでクリアしているべきでは」という流れになってきて「ならばどのタイミングでやめればいいの?」と更に難しくなっています。これって、「上場のいつ出れるの」って話に直結してきますからね。

- Navi - その辺で後々、会社と揉める事はないですか?

- A氏 - 確かにこの辺は後から一番揉めるところです。誤った判断をして、上場できないことにでもなったら「〇〇までにやめれば上場できるっていったじゃないか!」ってことになりますからね。

- Navi - Aさん自身はトラブったことはないんですか?

- A氏 - 万が一トラブったとしても、ちゃんと逃げの一手は打ってありますから。(ニヤリ)

- Navi - 流石!(笑)

- A氏 - 他には、どう考えたって通りそうもない問題を「なんとかならないか!」なんて言われるのも困りますよね。まーその辺をどう納得させるかが担当者の裁量なんでしょうけど。
 なので困る質問と言えば、審査に関するところです。先程も言いましたが、審査は明確なルールがなく、基本的には各証券会社の審査部門と各取引所の審査部門の判断によるところが大きいものなので、その判断が難しいのです。私がOKと判断しても、取引所に持っていったら引っくり返されたなんてことになったら困りますからね。

証券会社.上場審査

- Navi - その辺のグレーな問題を事前に相談することは出来ないのですか?

- A氏 - 出来ます。各取引所には『サポート室』みたいなものがあって、判断が難しい案件を事前に聞くことができるルートがあります。かつては、大手の証券会社にしか対応してくれませんでしたが、今は上場経験の少ない証券会社でも対応してくれます。

- Navi - それって、直接企業は相談することは出来ませんよね?

- A氏 - 出来ません。証券会社を通じてといことになります。ただ新興市場辺りだと、ホットライン的なものがあって、一般論のようなものは聞ける窓口はあるかもしれませんが、実際に本腰を入れて上場を目指して「この問題はどうなの?」となれば、証券会社を通じてということになると思います。

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