証券.監査の業務区分-05-

事業計画.資本政策

証券会社と監査法人の業務区分

企業側にとって「これは監査法人に相談すべきなのか、主幹事に相談すべきなのか」よく分からない業務(内部管理・内部監査・会計処理(開示処理) ・ⅠⅡの部作成・事業計画・資本政策・株価・審査対応等)が多々あります。

【内部管理、Ⅰ・Ⅱの部作成、事業計画、資本政策等は誰に相談すべきなのか?】

- Navi - 上場準備作業には様々なものがありますが、これらを進めて行く中で『これって誰に相談すればいいのだろう?主幹事それとも監査法人?』と迷う事がありますが、主幹事と監査法人の業務区分としてはどのようになっているのでしょうか?

事業計画.資本政策

- A氏 - 主幹事は資本政策と審査対応、監査法人は会計周りがメインになります。挙げられた業務で言えば、内部管理・内部監査・会計処理(開示処理)などは監査法人で、事業計画・資本政策・株価・審査対応は主幹事ですかね。Ⅰの部については有価証券報告書なので監査法人ですし、Ⅱの部数値的なところも監査法人ですね。申請書類についは印刷会社も重要になってきますが。

- Navi - でも、内部管理や内部監査などにしても主幹事が、指示を出してくることもあったように思うのですが。

- A氏 - ありますね。それはこういうことです。上場準備作業の目的は、各取引所の審査に通ることです。そして、その取引所との窓口は主幹事が一手に引き受けることになりますので、全ての業務の最終確認(通るかどうかの判断)は、主幹事が行なうことになるのです。そのため、内部管理などについても意見することがあるのです。この流れが、業務区分を分かり難くしている原因のひとつではないかと個人的には思います。

- Navi - なるほど。最終的に全ての作業の出来具合を見て、これなら審査に通ると判断するのは、主幹事ということですね。

- A氏 - そうです。こんなこと言うと監査法人に怒られるかもしれませんが、個人的な見解としては、ひとつ上にいて株式上場をトータルコーディネイトするのが主幹事の立場ではないかと思っています。
 あと、この様な役割分担になる原因としては『時間軸』の問題も挙げられます。

- Navi - というと?

- A氏 - 株式上場準備会社には、多くの場合で監査法人が先に入っています。なので、準備作業の初期段階で行なう社内規程や内部監査などは、監査法人の支持に従って行なっています。そして、主幹事の公開引受担当者が入る時点では、初期段階の作業は大方出来上がっている体制になっているのです。

- Navi - 監査法人よりも主幹事が先というケースはあまり無いのですか?

- A氏 - 主幹事が先というケースは、ほとんどないですね。初期段階に証券会社の営業が月に1回程度訪問していることもありますが、上場のマニュアル本などにも書かれていますが、株式上場を目指したら先ず監査法人ということですかね。

- Navi - なぜ、監査法人が先のケースがほとんどなのですか?

- A氏 - いろいろな要因がありますが、先程話しました手数料などもそのひとつです。監査法人の場合、顧問契約をすれば毎月の報酬は得られますが、主幹事の場合は株式上場してこその手数料なので、初期段階のまだ海のものとも山のものとも分からない時点では、入りづらいのです。

事業計画.資本政策

- Navi - しかし先程、主幹事は資本政策と審査対応がメインと言われましたが、資本政策は初期段階での計画が必要になりますよね。その辺の兼合いはどうなのですか?

- A氏 - 私の勤務していた証券会社の場合ですが、初期段階では営業部隊が準備会社に訪問し、ある程度の目鼻が付いたら引受部がバトンを受け伺うような流れになっていました。なので初期の資本政策立案については、営業が相談を受ける形になります。

- Navi - とすると、資本政策は証券会社の営業の方が作成するのですか?

- A氏 - 実際には、まだその段階では証券会社の営業が訪問する回数も少なく、頻繁に相談がし難いこともあるので、会社が独自にIPOコンサルタントと契約をして、彼等が作成する場合が多いですね。

- Navi - 資本政策は数値が絡みますが、監査法人が作成することはないのですか?

- A氏 - よくここは誤解されるのですが、資本政策についてほとんど監査法人は絡みません。というか、一般論としては監査法人は資本政策や株価についてはあまり知識がありません。通常公認会計士は、新規上場を担当するよりも既上場会社の監査をすることが圧倒的に多く、新規上場を担当するのは多くはありませんので、上場の経験や知識はそれほどありません。
 もちろん公認会計士の中には、個々に資本政策を勉強したり、新規上場を主に担当している人もいますので、資本政策に精通した著名な会計士もいますが、一般的にはあまり詳しくはないです。

- Navi - 資本政策となると、数値的要素が大きいので監査法人が一番詳しいイメージを持ちやすいですが、そうではないのですね。

- A氏 - もっと言えば、上場基準も知らない会計士も多いですよ。会計士は有価証券報告書を作成する技術を持っている人と言うことですよ。これもまた、会計士に怒られるかな。(笑)

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