経営企画室の設置-03-

経営企画室,株式公開

【『担当者別株式上場マニュアル』より】

著書『担当者別株式上場マニュアル』からの質問

経営企画室

【経営企画室の設置目的・必要性】

- 荻野 - では、著書『担当者別株式上場マニュアル』の担当された『経営企画室長』からの質問をさせて頂きます。先ず、経営企画室の設置目的・必要性は何でしょうか?

- 藤田 - いくつかあると思うのですが、五月雨式にお話しすると、経営企画室はラインではなくスタッフ部門になります。株式公開準備にはいろいろな認識があると思うのですが、『当たり前化』の推進ということが大事だと思うのです。ベンチャー企業の中にはいろいろな矛盾がありますから、それを株式公開に向かって『当たり前化』して行く。

- 荻野 - 本来、会社組織ならば当然やるべきことを整備・実行させて行くということですかね?

- 藤田 - はい。しかしそれを計画的に『当たり前化』する時に、会社が大きくなるとライン間の調整が必要なって来ます。公開準備は、事業部門と管理部門が一致していなければ進みませんが、そこには部長間の対立構造なども生まれてきます。それを防ぐには、『公開の目的』や『なぜこれをやらなければならないのか』と言うことを社長の直轄部門として説明して行く調整役が大事になってきますが、その役目がスタッフとしての経営企画室ではないかと思うのです。

- 荻野 - 確かに、対立が起きたまま強引に進めてしまうと余計対立が大きくなり公開準備どころではなくなりますし、そのすべてを社長が対処するのは難しいですから、そういう調整役が必要ですね。

- 藤田 - もうひとつは、社長の考えを如何に具現化して、事業計画に落とすなり、全社に広めて行くなりして行く役割になります。更にもうひとつ揚げれば、社長の言っている事って、実際なかなか正確に伝わらないことが多くあります。社長と違う意味で現場が受け取ってしまい、結果組織の活力を削いでしまったり、社長の言う事はコロコロ変わる人だと幹部社員が辞めて行ったりしますので、この辺のコミュニケーションギャップを埋める役割も担っていると思います。

- 荻野 - 『連結ピン』『パイプ』役としての機能は重要になってきますね。

- 藤田 - 『株式公開は社長で決まるのではなく、No2が居るかで決まる』と言われることもありますから、このコミュニケーションギャップを埋めることができるかという意味で、No2もしくはNo3の役割というものは大きいと思うのです。よくあるパターンとしては、No2は専務などの事業系の方で、No3位に経営企画室長とか財計部長がくることが多いですが。

- 荻野 - そうですね。

- 藤田 - 事業系の方は営業や事業に対してが主語になりますが、全体最適を主語にする社長の次の役割という意味で『経営企画室長』が必要とされるケースが多いと思います。 ですから、3つですね。『内部間の調整』『社長の考えを具現化する機能』『コミュニケーションを埋める機能』と。そして公開準備に一番大切なのは、計画的に物事を進めて行くことですから、そこをコミュニケーション能力が高い人が如何に整理整頓して進めて行くかが重要になります。

- 荻野 - なるほど。

- 藤田 - 本来『経営企画室』って新しい事業・新規事業開発とかと言われますが、公開準備企業に至っては、新規事業開発を考えるのは社長であって、それも既存事業の積み上げがあって先ず公開までもって行こうと、それは(新規事業)その次でしょうと。ですから、逆に経営企画室はそれを抑える役目だったりもします。

- 荻野 - 藤田さんのお話は、今までの会計士の方や実務経験者の方とはまた違った視点で見られているので、勉強になりますね。

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