株式公開を熟知-14-

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【公開を熟知している】

- 荻野 - 先程も出ましたが、上場を目指すといっても先行きがよく分からない何年も前から、完璧に行なって行く必要はないと思うのですが、かといって税務申告中心では、いざ監査法人のショートレビューを受けたら大きな修正が必要になってしまう可能性もあります。しかし、その辺は公開を熟知されている方ではないと、どこは厳密に行い、どこは手を抜けるのかわからないと思うのですが。

- 石割- そうですね。あと、採用やお金に掛かってくる部分についても、難しい面があると思うのです。例えば経常利益が数百万程度の会社が、株式公開を目指す場合、監査法人と監査契約を行うと、監査報酬だけで1,000万近く掛かりますから利益がなくなってしまいます。更にそれだけでなく、経理担当や内部監査担当が居なければ人を雇う必要もありますし、監査役会を作るために社外・常勤監査役が必要になります。これだけ利益に貢献しない人達が一気に増えますので、公開以前に会社が傾いてしまいます。

- 荻野 - そうなりますね。

- 石割- これって飲食店に行ったら、客より店員が多い状態に近いと思うのです。(笑)

- 荻野 - 夜、女性が隣に座る飲食店でしたら、お客は嬉しいでしょうけど。(笑)

- 石割- (笑) でも、そういう方はよく、『VCとの約束で』とおっしゃるのです。

- 荻野 - あ~ なるほど。

- 石割- それって、本末転倒だと思うのです。VCとの約束を守るために、達成が困難な公開スケジュールや事業計画を、対外的に演じ続けなければならなくなってしまっているのです。不本意ながら。

- 荻野 - ありそうですね。

- 石割- でも、こういうケースは少なくないと思うのです。社長自身も『この事業計画の達成は難しいな』と薄々感じながら事業計画を作成しているということは、実務上少なくはないと思います。それって、とてもよくないことですよね。

- 荻野 - そうですね。

- 石割- これが、ジャスダックに上場するような会社の場合、時間を掛けて利益を積み重ねて来て、紆余曲折を重ねて来ていますからケースは少ないと思いまが、他の新興市場の場合その業種が伸びたから単に類推的に、『あの会社が伸びたのだからこの会社も伸びるのではないか』と言う期待値だけで上場している場合もありましたから。

- 荻野 - 『○○ブーム』なんてありましたね。

- 石割- ええ。今日、ある雑誌に公認会計士で経済評論家勝間和代さんの話が載っていましたけど、『お笑い一発屋芸人のようなベンチャーが多い』『一発屋は、まだ一発があったからいいですけれども、一発も無いままの"不発弾"もある』と。(笑)

- 荻野 - (笑)

- 石割- VCと会社との関係で言いますと、『深い愛情』と『厳しさ』の両方が必要だと思うのです。会社を伸ばしてあげなければいけないという事と、その一方でモラルハザードや変な甘えをしないようにしてあげるのが本当の愛情だと思いますけどね。

- 荻野 - 親子関係みたいなものですね。まー 親もいろいろいますが。

- 石割- 先程の例の様に、『監査法人を入れろ』とVCはよく言うのですが、業績向上に苦戦している会社の足を引っ張ってしまっているケースもあります。『それって本気で言っています?!?』と思うときも多々あります。あと、VCは人材紹介などをしたら紹介会社からキックバックされる仕組みになっていますから、まだ成長軌道に乗っていない会社に人材紹介会社を早く紹介したがる傾向があります。

- 荻野 - そうなんですか。

- 石割- キャピタルゲイン以外で収入を得ようとすると、利益相反的ですし、投資先の育成という意味でかえってマイナスになっているケースもありますよね。

- 荻野 - 目先の利益に走り、芽を枯らしてしまう結果に。

- 石割- またVCの紹介を通じて、人材を入れなければならない理由など何もありません。ですから、気兼ねなどしてはいけません。会社は本当に良い人材を選んで入れるようにしなければなりません。

- 荻野 - ただ、その辺は慣れていない人には難しい判断になりますかね。と言いますか、慣れていても難しいかもしれません。『やはりお金を出してくれる人なのだから、言う事を聞かないといけないのではないか』とか、『無碍には断わりづらい』とつい思ってしまいます。でも石割さんは、元監査法人であり元VCということで、相手の手の内をよくご存知だから相談者として心強いですね。弁護士の『ヤメ検』みたいな感じですね。(笑)

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