株式上場,初値割れ
公開引受担当の目
【上場当日のドキュメント】
- A氏 - あと、上場当日のドキュメントというのもありますかね。
- 荻野 - お願いします。
- A氏 - 初めに証券会社に来てもらいます。そして先ず、トレーディングルームを見学して雰囲気を味わってもらって、上層部の人間に挨拶周りをしてもらいます。その間に初値が出たら報告が来たりします。昔の店頭登録はダッチ方式と言って、朝11時に一番売りと買いが多くなった所で決めてしまう方式でしたので、報告の価格が公募割れていたりしたら、一日中辛いことになってしまいます。(笑)
- 荻野 - 以前の引受担当は、横に居て辛い日々が数多くあったのですかね。(笑)
- A氏 - ええ、そうだと思います。まだ、普通の株価みたいにリアルタイムで動くなら言いですが。何かしらの理由付けて『これから騰がるかもしれませんね』なんて言えたりしますからね。
- 荻野 - 慰めの言葉が見つからないのですね。(笑) とは言え、今の市況の中で横に居るのも辛いでしょうが、、、。
- A氏 - で、午前中に取引所に式典が有りますので、証券会社から取引所に移動します。そこでセレモニーが有りまして盾をもらって、記念撮影して、昔の立会いの場所で、鐘だけは残っているのでカンカンカーンって鳴らしてもらいます。後はテレビのインタビューなどがありますね。
- 荻野 - 夕方の株式市場ニュースの番組でありますね。
- A氏 - ええ。で、ご飯食べて終わりですかね。あまり面白い話無かったですね。(笑)
- 荻野 - (笑)
- A氏 - あとそうだ、記者会見がありますね。確か、当日だと思ったのですが、兜クラブに行って記者会見をします。これもまた同じで、事前に私などが行って各社の記者に『お願いします』と言っているのですが、人気が無かったり他に大きなニュースが有ったりすると全然集まってもらえないこともあるのです。
- 荻野 - なるほど。
- A氏 - 『社長、おめでとう御座います。今日は晴れ舞台ですね。』なんて言って、記者2人なんて言ったら寂しいじゃないですか。(笑)
- 荻野 - (笑)
- A氏 - でも、実際に2人とか有りますけどね。
- 荻野 - ただ、上場会社の社長は始めてのことなので、少ないのか多いのか分からないですよね。
- A氏 - まーそうですね。名前を聞けば分かるような会社でしたら、10~20社集まりますけど、全然名前も聞いたことの無いような会社で小さい規模の会社でしたらなかなか集まりません。
- 荻野 - 記者2人に向かって『皆さん、本日はお忙しい中お集まり頂いて...』なんて言うのもチョット恥ずかしいですね。(笑)
- A氏 - 私なんか若手でしたから『すいません。お忙しいところ申し訳御座いませんが、サクラで...』みたいに、お願いして廻ったこともありました。
- 荻野 - 会社の同僚連れて行ったりして。(笑)
- A氏 - そこまでは、していませんでした。真面目にやっていましたね。でもそうか、顔の割れていない同僚を連れて行けばよかったか。流石ですね。(笑) 市場によっても違いますが大体こんなスケジュールですか。
- 荻野 - その一日を、快く過ごせるか、気まずく過ごすことになるのかも『初値』次第ですかね。
- A氏 - そうですね。でも私、騰がったのしか無いんですよ。初値割れしたというのは無いのです。
- 荻野 - 確かに、ちょっと前まではIPOで初値割れすることなんて、あまり無かったですからね。
- A氏 - ええ、ですから基本的に和やかな雰囲気で進みました。
