公開審査の進め方-08-

株式上場,公開審査

公開引受担当の目

【公開審査の進め方】

- 荻野 - これから、『元公開引受担当者の目』と言うことで、フリーで外からはなかなか分からないことや上場準備会社が注意すべき点等ありましたらお話下さい。ところどころで突っ込みを入れさせてもらいますので。(笑)

- A氏 - それでは、『実際の審査の進め方』でもお話しましょうか。

- 荻野 - お願いします。

- A氏 - 東証を例にとると、先ず会社と一緒に資料を一式持って申請します。7月初旬に持って行ったとしたら、審査期間が約2~3ヶ月になりますので8~9月当たりまで行なわれます。その間に会社概要から始まって、Ⅱの部に沿ってなぞる様にして審査が進んでいきます。形式は、基本的に会社と東証担当者の個別面談になり、大体3~4回位ヒアリングが行なわれます。ヒアリングの際に宿題が出れば、それを持ち帰って作戦会議を行なって回答を次回に持っていくというサイクルですかね。

- 荻野 - ある程度、事前に証券会社が想定質問等について、レクチャーしてくれるのですよね?

- A氏 - ええ。ある程度聴かれる事は分かっていますし、事前に取引所から紙の質問等も来ますから、それを基に『どう答えるか』『こんな解答は駄目です』などをレクチャーした上で本番に臨みます。で、先程も言いましたが、本番は会社と取引所で直接やりとしてもらって、証券会社は横に居て聴いているだけになります。終わったら、東証の脇にある喫茶店によって『あそこ不味かったですね』『上手く乗り切れましたね』とか軽く反省会をして、次回に備えると。

- 荻野 - 横で聞いているのは引受の人ですか?

- A氏 - 引受です。審査ではないです。先程も言いましたが、聴いてくるポイントは大体決まっていますから、淡々と進んで行きます。ちょっとやばい事が出てくれば、証券会社だけ呼び止められたりもしますが。

- 荻野 - 先程おっしゃられた、『あそこ不味かったですね』の例としては、どんなものでしょうか?言える範囲で。

- A氏 - 先ずは、『しっかり組織が出来ているのか』『組織的経営が成り立っているか』と言う話になりますが、中小企業の場合実際はワンマンが多いですから、取締役会の決議事項を正直に『それは社長が全部決めています』なんて言われてしまうと、オイオイってなりますし。(笑)

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- 荻野 - ありそうですね。先程の話ではないですが『内部監査は証券会社が置けと言うから置いたが、あんまりやっていないです』なんて言っちゃいそうですね。(笑)

- A氏 - そうです。 それと公私混同ですかね。自宅を社宅にしていますとか、保養所と称して別宅ですとか、社用車が外車の真っ赤かですとか。(笑) あと、不審に思えば現地に行きますよ。

- 荻野 - 取引所が?

- A氏 - ええ。私も何度か経験ありますし。

- 荻野 - 税務調査みたいに突然来るのではないのですか?

- A氏 - 抜き打ちではないです。そこまでは厳しくないです。そこが限界ですよね。

- 荻野 - なるほど。

- A氏 - その辺りを切り抜ければ、業務フローがあって、社内のチェック体制が整備されて牽制機能が働いていれば、特に問題はないです。逆に東証もその辺はプロじゃないですから、そこについては会計士がOK出しているのだったら、深くは入りません。あとは、何があったかな~。今は流行りませんが資産管理会社があったり、社長個人の住宅ローンの保証人に会社がなっていたりすることですか。

- 荻野 - もともと証券会社からもその辺りは、いろいろ言われますよね。

- A氏 - ええ。大きく分けると審査項目は、月次決算・予実管理・内部監査を含めた内部管理系のところと、役員と関係会社間の取引の整理のところですかね。それが終わると今期の業績に移って行きます。要はココまで半年過ぎて、『予算対比で進捗度はどうなっているでしょうか?』という辺りになります。そこまで来るとゴールが見えてきた感がありますね。ただ、そこで月次ベースで凹んでいたりすると、なかなか審査が降りない事もありますが。

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