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株価算定のプロセス-10-

株式上場,株価算定

公開引受担当の目

【株価算定のプロセス】

- A氏 - 上場承認が出た後の株価算定のプロセスをお話しましょうか。

- 荻野 - お願いします。

- A氏 - 流れで言いますと、先ず公引(公開引受)の部内で、『株価算定書』を作り、いろいろな方向や方法から見て、検討します。

- 荻野 - いろいろな方向と言いますと?

- A氏 - 例えば、『純資産価格』『類似業種PER(株価収益率)』『DCF(ディスカウントキャッシュフロー)』、あとは『類似会社比準』辺りですか。で、これらの方法を使ってレンジを出します。ただ、基本は『類似業種PER』になります。例えば、上場企業で15~40倍位だとすると、ここからIPOディスカウントの調整が入りますから、30%を値引いた10~30倍になって来ます。価格で言えば、PER価格が1,000円なら『700円位で出して行きましょうか』となります。

- 荻野 - 30%もディスカウントされてしまうのですね。

- A氏 - ええ。ですから、ほんと安くなります。そして次に、内部アナリストの意見も取り入れながら部内会議で『大体、この位かね』と目線合わせをします。その後、プレヒアまたはロードショーと言いまして、一週間程度の期間社長を機関投資家やアナリストに10社程度合わせて、セールスやその反応を見ます。

- 荻野 - 反応は、どう確かめるのですか?

- A氏 - アンケートをとります。『この会社どうですか?興味あります?』『幾ら位が適正価格だと思われます?』と。で、そう言う意見を全部まとめた上で、全体会議で決定します。

- 荻野 - その全体と言うのは?

- A氏 - 登場人物としては、『公開引受』『営業』と『ファイナンス部門』、あとは『アナリスト』などを呼んで会議を行ないます。

- 荻野 - そこでは、もう『審査』は関係ないのですね。

- A氏 - ええ、『審査』は入りません。この会議で、『仮条件』を決めます。

- 荻野 - 上場日の半月前位に出てくる『〇〇〇円~〇〇〇円』というのですね。

- A氏 - そうです。それを東証の兜倶楽部(記者クラブ)へ行って、仮条件などを書いた紙を投げ込むのです。『投げ込み』と言うのですが。で、これを基に各証券会社でブックビルディングを行なってもらいます。

- 荻野 - Yahooなどにも『BB期間』として『〇/〇~〇/〇』とある期間ですね。

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- A氏 - ええ。ブックを積んでもらって、その結果を見つつ最終会議で、『いくらで行きましょう』となって、リリースをなります。大体流れとしては、こんな感じですね。

- 荻野 - わかりました。

- A氏 - 会社が人気のある銘柄だと、『合わせてくれ、合わせてくれ』と沢山のアポが入るのですが、逆に人気がいないと『いや、いいよ』なんて、言われてしまうのですよね。

- 荻野 - 先程の、プレヒアでの機関投資家やアナリストのことですね。

- A氏 - ええ。こう言ったアレンジなども、IRや公開引受が行っていきます。入らないところは、入らないですし。(笑)

- 荻野 - (笑)

- A氏 - IPOディスカウントと言うのも曲者ですよね。『何で下げるんですか』と言う話があって、建前としては『ファイナンスの時に色々な状況変化があるので、そこの不測のリスクに備えるために保守的にする』ということや『低めに出して後を上手くまわして行く』とあるのですが、ココを決めて行くのはなかなか難しいです。30%引は、決まっているわけではなく交渉ごとになって行きますから

- 荻野 - そうですね。

- A氏 - 前回も言いましたが、このタイミングで社長が他のIR会社などを連れてきて、『この価格では、安すぎるのではないか』と言われたりするのです。ココが一番揉める所で、正直嫌なところですよね。

- 荻野 - ココが一番の目的(より多くのキャピタルゲイン得る)で、上場を目指している人も多いでしょうからね。

- A氏 - ええ、本当に。そこだけは、力は入っちゃって。

- 荻野 - 内部監査だ、事業計画だと言っても、興味無さそうな生返事だったのに、ココは猛然と来るのですね。(笑)

- A氏 - 前のめりで、ガッツン・ガッツン来ますから。(笑)

- A氏+荻野 - (笑)

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