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公開引受と公開審査-07-

株式公開,上場審査

上場までの流れ

【公開引受と公開審査】

- 荻野 - 実質基準の判断において、公開引受と公開審査の関係はどんな感じなのですか?

- A氏 - 公開審査が本腰入れてくれるのは、大体公開6ヶ月前位ですが、公開準備自体は2年前位から始まりますので、その間の捌きが結構難しくなります。分からない課題は個別に聴きはしますけれども、社運を掛けたプロジェクトとかになれば、最初から担当を付けたりもしますが、こう言ったら何ですが、小さい規模や本当に上がるかどうか分からない案件だとなかなかね。(笑)

- 荻野 - (笑)

- A氏 - 引受が捌いている段階で『業績が伸びないので延ばします』なんて結構ありますので。前も言いましたが、ちゃんと業績上がって行く会社の方が少ないですから、取り合えずココ(公開引受)で捌いておく事はあります。でも、『意外と業績良くなっちゃいました』なんてなると、そこで審査から『これじゃ駄目ですよ』なんて言われたら大変ですが。

- 荻野 - 『駄目ですよ』と言われる理由は、例えば何でしょう? 言える範囲内で(笑)

- A氏 - 例えば、社用車が真っ赤なフェラーリーで、『それを個人で買い取って下さい』というのを、いつまでに済ませれば良いのかというのを、なかなかココ(審査)も本腰が入っていない段階でコミットしてくれないのです。それでこっち(引受)も、どうせ利益で無いだろうからと高をくくって『直前期末まで』と取り合えず言っていたら、いきなり業績が急拡大しちゃって審査に持って行ったら、『それは直前期首じゃないと駄目だよ』なんて言い出しかねません。その辺りは答えが無いのでなかなか難しいのです。

- 荻野 - 審査が本腰入れてくれるまでは。公開引受はリスクを背負って自分なりの回答して行くしかないのですね。

- A氏 - ええ。でもココ(公開引受)は、自分なりの回答をして行く部署ですけれどもね。経験があって『これなら通るよ』と言う自分なりの判断基準がありますので。

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- 荻野 - 確かに、『審査がコミットしてくれないと回答できない』じゃ、ただの子供の使いになっちゃいますからね。(笑) でも、確かに後から何を言い出すか分からないから怖いですね。

【公開審査】

- 荻野 - Aさんのが担当した案件で、上場に至らなかった一番の理由はやはり『業績』ですか?

- A氏 - 『業績』です。利益が出ないという事ですね。

- 荻野 - 『内部管理があんまり上手くいかなくて』なんてことは、あまりないのですか?

- A氏 - あまり無いです。『利益は七難を隠す』なんて言いますから。利益が出ていれば基本は、通るみたいなところはありますよね。審査といっても、隅から隅まで全部見るわけじゃないですし、『内部監査をやります』と言っても、本当にその制度が定着しているかどうかなんて、なかなか分からないです。どうしても、形式的に書類作って報告するって形になってしまいますし。

- 荻野 - 確かに、数日見ただけじゃわからないですよね。

- A氏 - ええ。ジャスダック上がって5年後位に、『東証へ行きたいのですけど』って言われて、『まー ジャスダックも通っているから内部監査もしっかりやられているでしょうし』って言ったら、『えっ?!? (内部監査って)なんでしたっけ?』なんて言われたり。(笑)

- 荻野 - (笑)

- A氏 - ただ『月次決算』と『予算管理』は、重要ですよ。あれを見ながら業績予想などを出して行かないといけないので、全然その辺りが見えないとなると、やっぱり怖いですよね。正直、証券会社にいる時には、その辺がピンと来ていなかったですが、経験積んで来ると、重要だと思うようになりました。そこを救い上げる物が無いのに出てしまったら、株主の大きなリスクに成りかねませんので。

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