月次決算は不要-02-

月次決算書

月次決算書

【取引データの「みえる化」】

- 荻野 - 月次決算に関して伺わせて頂きます。先ず、月次決算の必要性についてお願いします。

- 山口 - はい。一般的には『即時経営状況を見極めて改善すべき点を改善して行く』という話ですね。私どもは「月次決算書の中身」が重要だと思うのですが、月次決算の早期化という話はそんなに重要だとは思っていないのです。新興市場に上場する企業規模を考えた時に、決算書を使って経営して行くというのは、背伸びしているというか、ちょっと違うように思えるのです。決算書を使って経営して行く会社というのはある程度大きな会社でないと難しいと。

- 荻野 - と言いますと。

- 山口 - 大企業の役員会を想像して見ると解りやすいと思うのですが・・・社長が決算書を見て「最近、在庫が増えているなぁ」とか「現金が減っているなぁ」とか言うわけです。そうすると、財務部長が慌てて「内容を精査します!」とかって言うわけです。部長は経理部に月次決算書を持って帰って、担当課長に質問するわけです。「社長がこんなことを言ってるぞ。」と。そうすると、課長はそれを担当の社員に、「社長がこんなことを言ってるから調べてよ。」と指示を出すのです。そして、今度は逆に社員から課長を経て部長に理由を記した書類が作成されます。それを部長が社長に報告するわけです。

- 荻野 - そうですね。

- 山口 - このように原因究明や改善策を検討させるという意思決定プロセスが形成されている会社ならば、月次決算書から大まかな問題点を把握して、これを改善していくという月次決算書による改善プロセスを教科書通りに経営に活かすことが可能です。しかし、マザーズやヘラクレス辺りに上場する会社の場合には、一応、組織はありますが、実態は社長以下全てがプレイヤー的なところで仕事をしているケースが多いですから、社長が「最近、在庫が増えている」といっても、みんな「あぁ、そうですか」とか、「で、どうすればいいですか」ということになってしまうのではないかと思うのです。社長自身が、「在庫が増えているのは大口取引先用に仕入れた商品が失注したからなので、営業マンに原価情報を提供して、粗利がプラスであれば価格は任せるので、早く販売するように。」と言わないと動かないのが、新興市場に上場を目指す会社の状況だと思うのです。

- 荻野 - 確かに、決算書は一般の人には理解し難くいもので、読めるようになるにはそれなりの時間が必要になりますから。

- 山口 - ええ。それにそもそも決算書というのは具体的な問題点を把握する為のツールではなく、大枠で会社の経営を捉えていくためのツールだと思います。だからこそ、大企業の経営者や投資家が利用するのに最適なツールなのです。その点を踏まえて利用しないと月次決算書が翌月5日に出来上がっていても意味がないわけです。私どもの会社では、具体的に経営を改善するためには、決算書ではなくて取引データを見なくてはいけないと考えています。単に月次決算書が早くできるということではなく、取引データを「みえる化」することと月次決算の早期化とを両立する月次決算書の作成方法を提案しています。

月次決算書

 

- 荻野 - なるほど。

- 山口 - 決算書は具体的なアクションからは遠いのが欠点なのです。月次決算書を見て「在庫が増えたね」と評論家みたいな話をしていても上場は出来ません。取引データをつぶさに見ていけば、具体的に個々の取引をどのように改善していけば良いかを把握することができますし、具体的な取引を基にして指示を出せば、すぐに具体的な改善活動ができるのです。

 

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